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                                           (平成14〜15年度分)

    釣り場ルポ・・・大阪・尼崎港で05年8月25日に青潮発生  05.12.30

  8月25日早朝から、尼崎港付近〜甲子園浜にかけての一帯で青潮が発生しましたが、
釣りインストラクターのみなさんの調査で、すでに8月初旬から予兆が出ていました。
釣り人がチェックした予兆; 
    @ 海底の溶存酸素が2〜3%と低かった
    A 水の透明度が高いが、やや黒っぽい澄み潮状態
    B 魚の泳ぐ層が浅い
    C 表面を魚が泳ぐ
    D 魚の釣れるタナが浅い
    E 胴突きの脈釣りで探ってもなにも釣れない
    F 夜釣りが不振、特に夜になって浅場に出るはずのチヌがいない
    G イガイが落ち始めた。
    H 表水温が下がった
   青潮が発生したきっかけは、台風11号の引き風で、北北東の強めの風が続いたので、尼崎港に掘り下げられていた水深20bの航路筋に、梅雨のころから停滞していた無酸素状態の潮が、水面に上がってきたものです。青潮の特色として、海底の無酸素状態でヘドロから発生した硫化水素の結晶が含まれており、白く濁りを帯びた青い潮になります
   海辺の生物は、数日前からコンクリートケーソンの照りこみによる高温化と、水の中の酸素欠乏によって弱っており、イガイの層が落ちたり、カニが死んだりしています。
青潮は26日午後には解消しましたが、海辺は死んだ生物のため悪臭が漂っており、特に干潮時はひどい状態です。これからも、東寄りの風が吹けば、大阪湾でも泉南側で青潮が発生するおそれがあります。
釣り人による大阪湾の水質調査の結果;
       大阪府釣りインストラクター連絡機構(JOFI大阪)の、公認釣りインストラクターのメンバーによる水質調査が試験的に行われました。
実施期間はH17年8月末から10月頃まで。釣り人が釣行のときにあわせて行った広域調査です。
今後、通年の調査として定着させるとともに、広く全国的に拡大展開したいと希望しています。
自分たちの環境を知り、守る。海と最も密接な関係にある市民として「釣り人」の果たすべき役割は、ますます大きくなるでしょう。(釣り文化協会・HP http://www.turibunka.or.jp /より)

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     「蘇れ・油ヶ淵」 官民共同で水質調査

  愛知県唯一の天然湖沼「油ヶ淵」をきれいにして守っていこうと、住民の方と行政と一緒に水質調査を行っています。
  油ヶ淵は北は三河安城駅・東は安城市桜井町・南は西尾市米津町を含む58km(碧南市の1.6倍)で、高浜川・新川を通じて衣浦港に流れ出ています。満潮時水面はマイナスで、海水が混じる汽水域になっていますが、面積64ha(2kmx2)、水深平均3m(最深5m)と浅く、最近の急激な流域都市化で汚濁が進み、水質環境基準の2倍にまでなっています。
  今回調査の行政側の主体は、県環境部水環境課(担当は調査グループ・原野知子氏)で、このたび、調査結果などを発信するホームページが作成されました。
                      http://www.aburagafuchi.jp
この件に関するお問い合わせ、ご意見・感想などは:
                原野 知子 * はらの ともこ
                tomoko_harano@pref.aichi.lg.jp
                愛知県環境部水環境課 調査G
                       〒460-8501 名古屋市中区三の丸3丁目1−2
                       (TEL)052-954-6220 (FAX)052-961-4025

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      川鵜の撃退装置を開発・・金属パイプで花火4連発    05.12.6・朝日新聞朝刊

    川鵜の被害に手を焼いていた木曽川漁協(一宮市北方町)の直営釣り場「川釣り体験場」では、湯浅泰昌総務部長が撃退用の拳銃型花火発射装置を考案し、成果を上げている。
    直径1.5センチ・長さ28センチの金属パイプを4本並べ、一方に栓をして、下に握り部分を溶接。火をつけると勢いよく飛び出る花火をパイプに詰め、威嚇発射して追い払う。
    川鵜は夜明けや夕方などに飛来し、魚をついばんでいく。川鵜が夜明け前に来ると魚が怖気づいてしまい、その日は釣れなくなってしまう。組合では管理人とは別に、川鵜を追い払う人も雇わなくてはならないほどだとか。
    以前はカーバイトに水を反応させ、すごい音の出る装置を使っていたが、やがましいと苦情が続出していた由。しかも、川鵜の姿を見つけてから水を反応させても、音が出るのは10〜20秒後だったので、川鵜がすでに水に潜っていたりすると、肝心の撃退効果はいまいちだったという。
    考案した装置は改良を重ね、単発から2連発へ更に今では4連発で発射できるようになった。
同じ川鵜の被害に頭を悩ませている美濃加茂市の日本ライン漁協から譲ってほしいと要望があり、販売実績もついた。ほかにも、野鳥被害に手を焼く野菜農家などからも注文が来ているとのこと。

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            木曽川にサツキマスの稚魚放流・・地元小学生      05.12.2 ・ 朝日新聞朝刊23面

  12月1日(木)、稲沢市祖父江町の木曽川大堰で、地元の長岡小学校児童全員150人がサツキマスの稚魚2,200匹を放流した。
  稚魚は設楽町の愛知県淡水養殖漁協でアマゴから採卵・孵化させて、15センチにまで育てたもののなかから、アマゴ特有の赤い斑点が消え、降海型の銀色になったもの(銀毛アマゴ)を選別した。
  県・海部農林水産事務所の坂口泰治さんによれば「稚魚は伊勢湾に下って湾内を周遊し、小魚やエビ・カニなどを食べて、来春には全長40cm,重さ700g(放流時の約10倍)に成長して帰ってくる」とのこと。木曽川漁協(一宮市)によれば、90年には2,300匹獲れたものが、05年にはたったの107匹に激減したと。組合でも毎年稚魚放流を続けており、今年も12月16日に約500匹を放流するとのこと。

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               「海釣りの有料化について」  水産庁・桜井専門官   05.11.24

  海洋政策研究財団(シップ・アンド・オーシャン財団)発行のニューズレターNo.127(11月20日付)
に水産庁沿岸沖合課・釣人専門官・桜井政和氏「海釣りの有料化について」と題して寄稿されています。
  要旨は「 わが国の海面においては、漁業に加えて釣り(遊漁)も持続的な水産資源の利用という観点から無視し得ない要素となっており、適切な対応が求められている。
  対応の方向としては、釣りという行為の管理もさることながら、資源利用に関する釣り人の費用負担(魚釣りの対価)も重要な課題であり、釣り人の理解が得られる枠組みが提案できるように、水産庁として積極的に検討していくこととしている」。

     寄稿論文の詳細は;
        http://www.sof.or.jp/ocean/newsletter/127/a01.php
<参考>
(財)シップ・アンド・オーシャン財団は平成17年4月より「海洋政策研究財団」の通称で活動しています。
    日本には、これまで海洋問題を総合的に取り扱う機関も、議論の場もありませんでした。
    『Ship & Ocean Newsletter』は、 海洋の重要性を広く認識していただくため、海洋に関する総合     的な議論の場を皆様に提供するものです。
        〒105-0001 東京都港区虎ノ門1−15−16 海洋船舶ビル
        TEL:03-3502-1828 FAX:03-3502-2033
                  E-mail:info@sof.or.jp  URL:http://www.sof.or.jp

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     竹竿作り一筋47年・名古屋の佐藤さん技能功労賞 05.11.24・朝日新聞朝刊

   グラスファイバーやカーボン竿全盛時代の昨今、竹製の釣り竿にこだわり続ける職人・名古屋市南区堤起町の佐藤よし孝さんがいる。この道一筋47年、現在は県内に一人しかいない竿師だ。手作りの良さが見直され、最近ヘラブナ釣り用などとして人気を誇る。長年の経験と熟練した技術を持つ職人をたたえる名古屋市技能功労者に選ばれ、11月23日に表彰を受けた
      佐藤さんは、22年創業の「竿種竹竿工房」の3代目。幼い頃から仕事を手伝い、高校卒業後跡継ぎに。当時は釣り竿といえば竹竿しかなく、工房には7〜8人の職人を雇い、市内には10軒近い竿工房があった。しかし、昭和40年代になるとカーボンやグラス竿の大量生産でブームになった。それからは竹竿は全く売れず、職人も離れ、工房をたたむ店が相次いだ。それでも佐藤さんは辛抱強く竹竿を作り続け、昭和50年代に入ると手作りの良さが見直され、再び売れるようになった。しかしその頃はもう竹竿職人は佐藤さん一人になっていた。
   「竿作りは素材選びが重要」という佐藤さんは、毎年11月〜12月に、弓矢用の竹の産地の和歌山県や埼玉県に行き、1年分の竹材3千本ほど仕入れるとのこと。しかし、竹竿に適した真っ直ぐで適度な硬さの竹は100本に1本。「見つけた時は完成した竿が想像できてワクワクする・・」と佐藤さん。竹は1ヶ月ほど天日干し、さらに最低1年は陰干しにする。何度も火であぶりながら、竹の曲がり具合を修正するが、この工程が一番神経を使うという。3〜4本をつなぎ合わせ、漆を塗って仕上げる。月に10本程しか作れないので、注文後3ヶ月以上待ってもらうことも。
   自分も釣りをするが「試し釣りで魚がかかった時のしなり具合しなやかな手応えは竹でしか味わえないない」と実感する。竹製はカーボンに比べて折れやすく虫が入ったりして、寿命が短いと思われがちだが、使い方と手入れを間違えなければ10年以上使えるという。
   息子は現在跡を継いでいないし、「竹竿の作り方を教えてほしい」と尋ねてくる人はいるが、趣味程度で、後継者はいない。でも「一本でも多く納得のいく竿を作りたいので、あと10年はがんばる」と佐藤さん。

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       伊勢湾の魚・イカナゴ・・資源管理実り水揚げ全国一位に  05.10.29・朝日新聞朝刊

    イカナゴは暑さが苦手で、6月ごろ砂に潜って眠る。特有の「夏眠」と呼ばれ、寝床は伊勢湾の湾口部だ。冬に目覚めて産卵し、孵化した稚魚を狙って、愛知・三重の約700隻のイカナゴ漁船が春先の3月一杯湾内にひしめき、初春の風物詩になっている。
     しかし、72〜82年頃は大不漁で、絶滅の危機感があった(篠島漁協・吉戸一紀組合長)。そこで漁業者が集まり協議して、親魚を残そうと、夏眠から覚める11月下旬〜2月までを全面禁漁にした。そして、両県の水産研究機関も交え、漁業者は真剣に資源管理をする必要に迫られた。両県の水産研究機関が算出した生育状況などのデータを元に解禁日を決めるルールができた。
  両県同時一斉に出漁し、毎日の終漁時刻も一緒だ。毎日の水揚げ量が報告され、計算推定個体数約20億匹を残して、漁期を終了とする。このようなルールつくりとこれをお互いに遵守する努力が実り、ついに愛知の水揚げは、昨年、北海道・兵庫県を抑えて、初めて堂々の日本一に輝いた。
「資源管理が功を奏した。ここまで徹底してやっているのは伊勢湾だけだ」(愛知県水試・冨山実研究員)。
   でも両県の間ではニーズの違いによる解禁日を決めるに当たって議論もある。シラス干しとして商品価値の高い出来るだけ小さいものを獲りたい愛知と、成長した大きいものも獲って、当地で盛んな養殖用の餌にしたい三重県の思惑がぶつかるからだ。

<編者注> 無制限な乱獲による個体数の激減で、業者は廃業の岐路に立たされて、はじめて危機感を持ち、
もう後が無いギリギリの状態から連帯して対策を立て、皆で協力してそれを守って見事に立ち直ったという、
数少ない成功例だと思う。
 一本釣りの漁業者・遊漁業者も、対象魚種・数が減ってしまい、昔はよかったと嘆く前に、
対策を立てねばならないが、まだ、もうあとが無いと言うところまで追い詰められていないから、
声も出ず連帯感も出てこない。
 もうすこし商売として成り立たなくなるまで追い込まれなければいけないのか?。
幸い伊勢湾内では、ウタセエビを使う伝統的釣法がまだ出来ているが、エビが獲れなくなったり、
魚が釣れなくなったとき、沖アミ撒餌の誘惑に負けると、たちまち最悪の事態になる事は、
他の地区の例でも明らかである。
 オキアミを飽食した鯛と食べ比べて、歴然と違うウタセ真鯛に、まだ出会える幸せをかみしめながら、
いつまでも、ウタセエビ餌で、繊細なオバセ釣りを楽しめることを願って止まない。
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               欧州のウナギピンチ・・毎月の半分は禁漁 05.10.08・朝日新聞朝刊

    月の前半はウナギ漁をしてはいけない・・・。ウナギ資源の減少を食い止めるため、欧州連合(EU)欧州委員会が6日、そんな提案をした。
    それによると、乱獲や河川の汚れ、ダム建設などが原因と見られるウナギの現象が続いており、域内の川にやってくる数は、近年は豊富だったころの1%にまで落ち込んでいる。このため緊急処置として、毎月1日から15日まで、ウナギ漁を禁止するよう加盟国に求めた。閣僚理事会で了承されれば、来春から実施したいという。
    日本のかば焼と異なり、欧州ではウナギをぶつ切りにして、煮て食べる事が多い。ほうれん草やハーブのソースで煮た料理はベルギー名物だ。

<編者注> 各国の文化・風土も違い、利害も複雑にからみ合っているはずのEUで、
このような提案が可決されるとすれば、本当にうらやましい限り。
     それに引き換え魚食民族・海国日本はどうか。国の漁業資源対策は充分だろうか。
早々と国産を諦め世界中から魚をかき集めているではないか。
それにしても、ヨーロッパでも日本と同じような問題を抱え、ウナギがひところの1%まで落ち込むとは。
明日はわが身。国もお題目を唱えている時期は過ぎている。
     早急に具体策を打ち出さねば、それがどこかのだれかに痛みを与えるとしても。
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         エチゼンクラゲ伊勢湾でも確認      05.10.07・朝日新聞朝刊

    漁業に大きな被害を出しているエチゼンクラゲが、県・水産試験場漁業生産研究所(南知多町・鈴木輝明所長)などによって、伊勢湾でも発見された。
    これまでエチゼンクラゲは主に日本海沿岸を北上していたが、この夏は四国や和歌山など太平洋側でも確認されている。伊勢湾での確認で、太平洋側に広がっていることが改めて裏付けられた。
    このエチゼンクラゲは9月27日、南知多町豊浜西約2キロの伊勢湾内で、クラゲ対策の魚網を試験操業していて確認された。傘の直径約50センチ。富山実主任研究員は「エチゼンクラゲにしては小さいが、体はオレンジ色で特長も一致していた」と話す。
   鈴木所長は「三河湾まで入り込んでくる事はないと思うが、外海で操業する船引き網、底引き網漁業への影響を心配している。入網状況を漁業者から聞き取り、場合によっては対策を取っていかなければ」と話している。

     <編者注>  漁業被害の大きさにようやく国も重い腰を上げ始め、ピアノ線を仕込んだ特殊引き網を考案し、
実地試験をやり始めたことはテレビニュースなどで紹介されているが、要処分量の多さにどれほどの即効果があるのか。
また、肥料にしたり、食財として利用する研究もぼつぼつ始まっているが、全体量に対しては微々たるものであろう。
エチゼンクラゲの異常大発生の原因には諸説あるようだが、
(1)・世界有数の漁場・東シナ海でのイワシなど動物プランクトンを主食とする魚の乱獲による激減で、
    同じプランクトンイーターで競合関係にあったエチゼンクラゲが増えた。
(2)・中国の経済急成長に伴い未処理産業排水が流れ込む事による植物・動物プランクトンの異常発生の恒常化。
        などがあるという。
最近、世界的にイワシは減衰期にあり、魚種交代で同じプランクトン食のアジ・サバ・サンマなどが大発生しない限り、
このエチゼンクラゲ騒動は収まらないのでは?。
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       放流?・伊自良湖に コクチバス     05.10.5朝日新聞夕刊8面

    ブラックバスの一種で外来魚のコクチバスが、長良川の支流・伊自良川の上流の伊自良湖に生息しているのを、9月4日「サツキマス研究会(岐阜市)」の新村安雄さんが確認した。
3〜5センチの小型バスが伊自良湖の東岸沿いに約30匹いたという。
違法に放流したと見られ「長良川に入り込めば、アユやアマゴなどを食べて駆逐してしまう恐れがあるので、早急な駆除が必要である」と新村さん。
    コクチバスは北米原産で、成魚の体長は30〜50センチ。流れを好み、冷水域でも生息できるため、広がりやすい。6月施行の外来生物法で特定外来生物に指定され、放流や飼育が禁じられている。
    新村さんは、小さな個体が見つかったことから「放流魚から今年産卵した可能性がある。河口堰建設後、長良川ではアユなどが減っており、追い打ちをかける恐れがある」と心配している。伊自良湖は農業用水用の人造湖で、遊漁場にもなっている。湖から伊自良川を約20キロ下ると長良川に達する。

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                琵琶湖のアユ・来年は豊漁?     ( 05.10.4     Asahi,comより)
                          今年の不漁から一転するか・・・

     「9月18日、滋賀県の姉川で、産卵のため遡上する、川を埋め尽くすほどのアユを見た」と鳥塚五十三さん。
滋賀県水産試験場の調べでは、琵琶湖のアユの産卵量(推計)が9月末現在、過去10年で最多となったことがわかった。
     昨秋の台風の影響などで今年は約40年ぶりの不漁となり、8月の漁をやめたのが功を奏したらしい。今年、記録的な不漁に泣いた漁師らから「来年は豊漁だ」と期待の声があがっている。
   同試験場は毎年8月末から11月上旬にかけ、琵琶湖に注ぐ11河川で産卵量を複数回調べている。 今年はこれまでに2回調査し、11河川で計約116億粒の卵があると推定した。昨年同期の約6.6倍で、過去10年で最高だという。
   11月上旬までの産卵量の合計は、01年=約174億粒、02年=約53億粒、03年=約60億粒で、翌年の漁獲量はそれぞれ1.111トン、912トン、681トン(農水省調べ)。
     昨年は台風が相次いで水が濁ったため、産卵量は約43億粒にとどまった。加えて今年は一時期の渇水でアユが川を遡上(そ・じょう)できず、深刻な不漁に。このため滋賀県漁業協同組合連合会(組合員約2千人)は、定置網の一種のエリ漁と刺し網漁の漁期を20日短縮し、7月31日で打ち切った
   県漁連の鳥塚五十三会長は「厳しい判断だったが、守って育てる資源管理型の漁業を実践したことで、来年の豊漁につながりそうだ」と話している。

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        「琵琶湖にピラニア出現」                   (05.9.14)
                                                                                (朝日新聞9月14日朝刊25面より)
  滋賀県高島市沖の琵琶湖で、南米のアマゾン川などに生息する肉食魚ピラニアが1匹見つかった。県水産試験場によると、誰かが観賞用に飼っていた魚を放した可能性が高いという。
体長約16センチ、重さ96グラムの「ピラニア・ナッテリイ」という種。
  12日朝、同市の約1キロ沖合いで、漁師が刺し網にかかって死んでいる見かけない魚を見つけ、同試験場に届け出た。
  ピラニアは水温が10度を下回ると死ぬため、琵琶湖では越冬や繁殖は出来ないが、同試験所は「在来魚を食べて生態系に影響を及ぼすおそれがある。人に噛み付かないとも限らないので、放流は絶対にやめてほしい」と話している。

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        「NPO法人・釣り文化協会」 設立                   (05.8.1)
              (代表・来田仁成氏・東大阪市中小阪1−5−20) 

     釣りの愛好家ならびに一般市民に対して、スポーツとしての釣りの普及に関する事業を行い、
釣り文化の保存・釣り場環境の保全・青少年の健全育成に寄与することを目的(設立趣意書より)として、大阪府にNPO法人申請を行い、6月22日受理され7月1日正式に設立されました。
     釣りインストラクターをはじめ、志ある釣り人の積極参加を求め、ボランティア活動団体として、登録参加者(社員)560名を予定し、下記の事業を行う計画です。
[事業計画]
      (1)・海・川・湖など魚の生息のための環境回復活動。
      (2)・海・川・湖など水辺の清掃。
      (3)・海の環境モニタリングシステムの構築と実行。
      (4)・海の水質をはじめとする調査の実施。
      (5)・釣り教室の開催と指導者の派遣。
      (6)・釣公園などの計画立案および管理・運営受託とサポーター派遣。
      (7)・伝統釣文化の継承と保存についての活動。
      (8)・その他
             NPO法人・釣り文化協会のHPは; http://www.13.ocn.ne.jp/~newturi/
                                         協会ご挨拶は−−−>>    

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       水産庁 「外国ライセンス制度・調査結果」 を発表      (05.7.24 )

     全釣り協によれば、水産庁はかねてより先進10ヶ国の「遊漁に関する規制・管理」について現状調査し、このほどその結果をまとめ、公表しました。
     特に内水面だけでなく、海面も含めた「ライセンス制度」について詳しく調査されており、いままで、遊漁対策やライセンス制度などの論議に専門的な資料に乏しかったので、今回の好評は、その内容とともに、我々釣り人にとっても今後の展開は大きな問題と思われます。
     全釣り協では、このことが直ちにライセンス制度の是非を論議したり、わが国でも導入されるという捉えかたでなく、今後の釣り(遊漁)に関する新しい秩序つくり(制度整備も含めて)に資するものとして捉えたいとしています。

      詳しくは−−−>>http://www.zenturi-jofi.or.jp/shotyo/suisan/licence1.htm
                                 http://www.jfa.maff.go.jp/yugyo/what/index.html

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        ウナギについて2題          (05.7.24 朝日新聞 より )

[その1]・ヨーロッパウナギ

     スーパーなどで売られている「鰻の蒲焼」には国内産・中国産などの表示が目に付くが、実は「ヨーロッパ出身」もいるのだ。中国の養殖場では「日本ウナギ」のほかフランスなどからも稚魚輸入した「ヨーロッパウナギ」を育てているからだ。ヨーロッパウナギは日本ウナギに比べて体形はすこしチビデブで、ヨーロッパらしく目パッチリだそうな。(蒲焼にすると、やわらかくて味も変わらない・・日本鰻輸入組合・森山理事長)。
     ところが、国内の養殖場だけでなく全国の川・湖・海にも目パッチリのヨーロッパ鰻がいることが分かった。このため国内産でも養殖ものに限らず、天然ものにもこのヨーロッパ鰻が出回っていることになる。
日本では60〜70年代にヨーロッパ鰻の稚魚が大量輸入されたが、日本式の養殖方法に合わないため、各地で河川・湖沼に捨てられた(蜜放流?)。
    愛知県渥美町の「いらご研究所」の岡村研究員が8年前に発見し、97〜02年に全国の天然ウナギ2827匹を調べたところ、約12%がヨーロッパウナギだった。三河湾10%、宍道湖17%、鹿児島・池田湖90%超。(鹿児島は浜松と並んで養殖の盛んな地域・・大量に捨てた?)
これらが日本鰻と一緒に海に下り東シナ海で発見された事もある。(マリアナ沖の産卵場を目指していた可能性がある・・東大海洋研究所・青山助手)。
    このことが鰻の生態系にどのような問題があるか、その影響は分からない。だいいち、ウナギの生態そのものがまだはっきりしていないのだから。

[その2]・蒲焼はほとんどオス

    静岡県水産試験場浜名湖分場の02年の調査では、当地養殖ウナギの90%がオスだった。
他地区では95%以上の所もあるとか。天然ものはそれ程でもないので、養殖場でオスが多いというのは大きな謎。高密度で飼うとオスが多くなるという説もある。100坪の池で1万5千〜7千匹(静岡県の場合)。そこで浜名湖分場では密度を10分の1にしてみたが結果は変わらずだった。
    稚魚(シラスウナギ)を半年で200グラムに育てて出荷する「促成栽培」が影響しているとの見方もある。ウナギは20センチ前後まで性別が決まっていない。過密な場所で人口餌に必死で群がるウナギたちにとって、やはり成長期のストレスが影響しているのかも。
    今日までウナギの人工孵化は不可能といわれ、俎上してくるシラスウナギを捕まえて養殖するのが唯一の方法で、年々減り続ける採捕高(70年代の1割に)に、養殖業者は卵からシラスを育てるのが悲願であった。ところが最近、三重県南勢町の「水産総合研究センター養殖研究所」で孵化からシラスまで育てる事に成功した。しかし(100万粒のうちシラスに育つのは数匹〜せいぜい数十匹なので、実用段階にはまだ遠い・・田中・繁殖研究グループ長)。

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     伊勢湾・生き物たちの詩・・・アマモ          (05.7.7 朝日新聞 より )

      砂浜に面した海の浅場で、緑が濃淡を織りなすアマモやコアマモの群生。水深1メートルより浅いところに生え、葉の巾1〜2センチ、長さ約30センチ。
      環境庁によると、伊勢湾で55年に1万400ヘクタール生えていたが、94年には585ヘクタールまで激減。40年の間に94%もが失われた。埋め立てや護岸工事、生活・工業排水などが原因とされる。
       アマモの役割は大きい。海の汚れの原因となる窒素やリンを吸収する浄化作用に加え、魚介類のエサや卵を産み付ける場所、幼・稚魚のすみかにもなる。現在もアマモが大規模に生えているのは「二見と櫛田川河口、知多半島の野間沖ぐらい」(三重大・生物資源学部前川行幸教授・藻類学)。
      三重県では今年度から、二見町沖で本格的なアマモ繁茂のための造成作業に入る。波を抑えるために巾20メートル、長さ100メートルの潜堤を築き、08年度を目標に0.4ヘクタールの造成を目指す。
「昔はたくさん生え、網が思うように引けなかった」と同県鈴鹿市の漁業者が語るほどだったアマモ。
回復への道は、始まったばかりだ。

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       潜水漁業者とのトラブルについて      (05.6.14 )

    知多半島・鬼崎漁港周辺のタイラギ貝潜水漁は例年5月1日から8月3日ごろまで行われますが、最近プレジャーボートの釣り人との間にトラブルが絶えないようです。
    潜水職漁船がいると、良い釣り場と勘違いするのか、近寄ってきて、大変危険であるため、漁師さんと、もめごとになる場合もあり、私達釣り人は事故を起こさないように、また職漁者の仕事の邪魔をしないように、このような仕事(潜水漁)をしている場所があることなどを承知しておきたいものです。
                            関連の詳細は−−−>>こちら

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       伊勢市海岸でアカウミガメが産卵      (05.6.14 伊勢湾流域ネットワークより)

    本日(6月14日)、伊勢市の海岸でアカウミガメの産卵を確認しました。おそらく伊勢湾内では、
これが今年初めての産卵かと思われます。
    今年は黒潮が蛇行しているとかで、伊勢湾内での産卵も少し遅れたのかもしれません。昨年、伊勢湾の三重県側での産卵はわずか8頭で、伊勢湾北部(津市以北)での産卵は1例もありませんでした。今年は何とか増えてほしいものです。  
                                                                        (報告) 志摩半島野生動物研究会 若林

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        森の健康診断実施・・・伊勢湾の今      (05.6.5 朝日新聞より)

    6月4日矢作川流域の山で過去に植林された杉、桧の数や生え具合、土壌などを調べる「森林の健康診断」が、「NPO・矢作川水系森林ボランティア協議会(豊田市勘八町・小杉辰雄代表)」と「矢作川森の研究者グループ(東京大・愛知演習林・蔵治光一郎代表)」などの実行委員会等により実施された。
   参加者は約200名。調査対象は豊田市内の人工林3万6千ヘクタール。碁盤目状に2キロ四方に区切ッた交点140ヶ所の5メートル枡内で腐葉土の厚さや、どんな草や低木が生えているか、樹木の込み具合・太さ等を一斉計測。
   その結果、枝払いされて地表に日が差す所は草や低木が生えているが、手が入ってない所はほとんど生えてなくて、日が当たらない杉・桧の枝は枯れていた。このような荒れた人工林がほとんどだった。
   参加者達は現状を目の前にして「山を守る必要性を身にしみて感じた」・「山の手入れは年寄りにはきつい、若い人が山の仕事に従事できる環境(収入や生活など)を作る必要がある」などの意見が。この日調査できたのは約100地点で、残り40は今月中に主催団体や市民グループが行う。この診断作業は今後10年間続け、流域全体の状況を把握しデータ化して対策の資料としたい考え。
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<ご参考>
          矢作川水系森林ボランティア協議会  : http://page.freett.com/yamorikyou/
          伊勢三河流域ネットワーク               : http://www.isemikawa.net/

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        プランクトン・黒潮南下で大発生       (05.5.12 朝日新聞より)

       黒潮の南下で、房総から紀伊半島沖の広い海域に植物プランクトンが大発生していることが、リモート・センシング技術センター(東京港区)の解析で分かった。
       昨年から、日本の南岸を東へ流れる黒潮が遠州灘で南方へ迂回する「黒潮の大蛇行」が続く。
暖流の黒潮が南下して栄養の豊富な冷たい水が入り込んだ事と、快晴が続いた事で、植物プランクトン大発生の条件が揃ったらしい。高度705キロから撮影したデータを解析処理したら、プランクトンの広がりは薄い青に見える。
       解析した田中惣太郎部長によると、発生は4月中旬に始まり、5月に入って、かなりはっきりしてきた。北海道大の斉藤誠一教授は、プランクトンは円石藻ではないかと推定。北海道沿岸などに多く見られ、「日本近海でこれほど沖合いまで大発生したのは初めてでは」という。

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      漁師、森再生へ植林・・・伊勢湾・森と川と海の物語      (05.4.30朝日新聞より)

      「もはや自分たちだけの力では、山をやっていけなくなった。少しでも県民の皆さんに負担していただけるとありがたい」との岐阜県林業経営者協会・国井武彦会長の切実な訴えに、大学教授や税理士なども参加した岐阜県の「県民協働で森林環境を考える研究会」が開催され、ことし3月に[ぎふ森づくり県民税(仮称)の創設の提案]をまとめ、連休明けに知事に提案の予定とか。
     健全な森林を守り育てるのは、森林所有者や林業関係者だけでは困難との考えから、「県民すべてが森林の恵みを受けている」として、森林整備費を税金で負担しようという構想だ。
     このような考え方は、すでに03年度・高知県、04年・岡山県、05年4月から鳥取・鹿児島・島根・愛媛県が相次いで導入した。愛知・三重県でも検討中で、愛知は県の税務課が中心で勉強会を立ち上げた。
                            **山に大漁旗**
    一方、蒲郡市の4漁協青年部連絡協議会(稲吉隆太会長)では、漁がどんどん減少するのを止めるには「目に見えるようになるのはだいぶん先だが、それでもまず山をよくしないと」と漁師たちの森つくりが始まった。
    02年から伊勢・三河湾に流れ込む豊川上流の設楽町で山に広葉樹を植え、下草刈りもしている。毎年、植林の祭、森の頂に大漁旗を掲げる。豊かな海を育む「母なる森」の再生を願って。今では輪が広がって、三谷水産高校生徒や渥美半島の漁協も加わる。
   漁業関係者の危機感は強く、97年から愛知・岐阜・三重の3県漁連を中心に長良川上流の白鳥町(郡上市)で植林を始め、桜・欅・椛など3000本を植えた。01年からは岐阜県東白川村で3回・11000本植え、その森は「山・川・海・・・思いやりの森」と名付けた。
   三重県でも漁連と漁協が98年から宮川村と飯高町(松阪市)で森つくりに励み、県を越えて東白川町にも出かけて植林を続け、子供達の交流も生まれている。伊勢湾に注ぐ川の上流と下流で、山の民と海の民の「森を守ろう」との想いが交わって確実に広がっている。

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          「外来生物法」施行に関して      (05.3.8朝日新聞)

       外来生物法が6月から施行されるが、対象候補生物は哺乳類・魚類から植物まで37種類ある。釣り人に関係する魚類では、オオクチバス・ブルーギルが対象だが、愛知県では「漁業調整規則」でこれらの魚の移植を禁止していて、違反すると6ヶ月以下の懲役か10万円以下の罰金としているが、「今のところ適用例はない」(3.8朝日新聞)という。
     愛知県では外来魚の全域分布状況は体系的に調査されていないが、漁業権の設定されている河川湖沼より、一般の多くのため池などに蜜放流にされたものの繁殖が著しいという。
     釣り人のターゲットとして人気いまいちのブルーギルのほうが問題多く「食べる魚がいなくなると、動物プランクトンを食べることが分かった。植物プランクトンを食べる動物プランクトンがいなくなり、植物プランクトンが異常発生して青潮になる」(中京女子大講師・小林秀司氏・・朝日新聞)。
     そういえば、農業用水のため池などが真っ青になっているのを目にするが、バスよりブルーギル対策のほうが求められるということか。
     環境省はこの法律施行に際して、広く一般に23日から32日まで意見募集をしたが、約10万件の意見が寄せられ、釣り人からは、在来種の減少はバスが食べつくすためだけではなく、農薬や工業排水による水質悪化・周辺開発による哺場の消滅などの影響が大きいとの主張が出ている。
      38日朝日新聞では、犬山市で駆除のために市や環境団体・市民・農家などが協力して池干しを実施していると報じている。しかし、翌年も絶滅せず同じであったとのことなので、その後また放流されたのか、卵が生き残っていたのかなど、調査の必要があるのでは。

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             [ ヤリイカ] 回復へ産卵床を考案・・・渥美半島沖 (05.2.8朝日新聞)

             近年激減しているヤリイカを増やすため、渥美半島沖で底引き網漁業をする漁業者と、
         県水産試験場・漁業生産研究所(南知多町)が協力して、産卵床を考案した。
         漁業者側は県底曳網研究会(鈴木好一会長)の70人。
         去る1月25日に産卵床を渥美半島沖の水深30〜90メートル3ヶ所に約70個を沈めた
         産卵床は長崎大学と製網会社がアオリイカ用に考案さたもの。
            ヤリイカは潮通しのよい岩棚の天井部に房状の卵を生む習性があるため、
         樹脂製のカゴの裏側に人工芝を貼り付けた。昨年の実験では成功が裏づけられた
         同研究所によると、ヤリイカの県内水揚げは、500トン/年だったものが、
         近年は100トン前後に落ちている。
         漁業者間では6〜8月には禁猟区を設け、9月からは一日の漁獲量も制限している。
             「やりイカは一年寿命で、生息数は全国的に減っている。
         太平洋南部で88年に2291トンだったが、90年代に急減。03年は211トンに減った。
         水産庁は昨年度から5ヶ年計画で漁獲量回復を目指している」(朝日新聞)。
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              「再放流禁止は適法」・・・大津地裁判決       (05.2.8朝日新聞)
                                       バス釣り愛好家敗訴
              バス釣り愛好家・タレント清水国明さんらが滋賀県を相手に「禁止条例制定は不当」とし、
          外来魚駆除事業への補助金支出差し止めと、釣り人として条例尊守義務がないことの、
          確認を求めた訴訟は、
           「琵琶湖本来の生態系を回復するために、外来魚の絶対数を減らすことは不可欠。」
          (稲葉重子裁判長)として、全面的に退けられた。
               1月31日「特定外来生物」にオオクチバスが指定されたが、再放流までは禁止していない。
          今回の「再放流禁止は適法」判決は琵琶湖以外の全国各地の外来魚規制に大きく影響しそうだ。
           「原告側は控訴方針」(朝日新聞)。
              在来魚が減少していることに、外来魚の食害がどのくらい影響しているのか。
              再放流禁止が外来魚駆除にどのくらい有効か。
          などが争われたが、判決では「ブラックバス・ブルーギルが琵琶湖で急増した時期と,
          在来魚の漁獲量が減ったことには相関関係があり、
          平成12年には53種の在来魚が絶滅危惧種に選定されたように、
          従来の生態系が危機に瀕している事実があること、
          ブラックバスがニゴロブナ・ホンモロコを好んで飽食することは調査ではっきりしているので、
          在来魚の減少に大きな影響があると認められる」とした。
              そのうえで「在来魚を守るため、駆除をする必要があり、そのため県が再放流を禁止したり、
          県漁連に捕獲や処分にかかる費用に補助金として支出したのは、
          合理性と必要性がある」と結論した。(朝日新聞)
             原告の清水国明さんは「釣った魚をむやみに殺したくないという釣り人の願いが届かず残念。
          釣りをスポーツとして楽しむ多くの釣り人を落胆させるだろう。
          環境や生態系の保全に何ら実効性がない条例を撤回も見直しもしない県のかたくなさに憤りを覚える」
          と話している。(朝日新聞)

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              オオクチバス・規制種に選定結論先送り・・・環境省

         朝日新聞1月9日付朝刊によると、
         環境省は、今年6月から施行する「外来生物法」で規制する対象生物の選定のため、1月7日専門家会議を開催した。
         種の選定には植物や哺乳類などグループごとの専門家で議論・検討し、1月末までに結論を出すとしている。
         生態系への影響が深刻とされ、飼育や運搬などが禁止される「特定外来生物」の種として、
         北米原産のオオクチバスの選定が論議されたが、「環境省は、指定するかどうかの議論を延長する方針を決めた。
         釣り愛好者の団体らが反発していることに配慮した。」(朝日新聞)。
         このため「6月法施行で指定される第一陣の中にオオクチバスは入らない見通し。」(同朝日新聞)。
           (注)この件に関し、「指定第1陣には入れず、 指定に向けた検討を今後半年間続ける・・・と、
         1月19日の第4回専門家会合で決定した」。(1月20日朝日新聞)
         同日付け朝日朝刊2面 「時時・刻刻」および21日付け朝刊3面 「社説」 にこの問題が取り上げられています。
                 内容はこちら------>>
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         空港島周辺海域・全域釣り解禁 ・・・12月28日より

         空港島周辺海域が南側の工事区域を除いて、東側を含めた全域で、
         12月28日より航行規制が解除されました。
         これにより空港島周辺海域全域で、プレジャーボートによる遊漁が可能になりました。
         【ニュースソース 中日新聞朝刊 愛知版】
         http://www.chunichi.co.jp/00/cko/20041229/ftu_____cko_____000.shtml
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             知多堤の団子釣り禁止・・4月1日より

         名古屋港緑地保全協会では、名古屋港海づり公園(通称:知多堤)での団子釣りを、
         平成17年年4月1日から禁止することに決定した。
         理由は 『釣り場環境保護のため』
         すでに日釣振、周辺釣具店・釣餌店に事情説明を行い、理解を得ている由。
         利用者(釣り人)向けの告知は、チラシ・ポスター・園内看板・WEBサイトで行い、
         実質4ヶ月間の告知期間を設ける事で周知徹底を図りたいとの事。
         また、釣り関係マスコミ各社にも、連絡済とのこと。
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             マンザイウオに100万円・吉本興業が懸賞金
                                                        (04.12.16付・朝日新聞朝刊11面)
          横浜市で「よしもとおもしろ水族館」を運営する吉本興業が、
           「マンザイウオ」の捕獲に賞金100万円をかけている。
          お笑いの吉本らしい名のこの魚を水族館で飼育・展示するためで、
          賞金は最初に生きたまま捕獲した人に贈る。
          同水族館によると。この魚はスズキ目シマカツオ科に属し、全長は45センチ前後。
         相模湾や日本海の新潟沖などに生息
するが、食用として流通しておらず、
         漁獲されても捨てられることが多いという。
          名の由来は水産庁もわからないとしているが、
         同水族館によると「うろこが硬くて食べにくいため、漁師が[お手上げだ]とバンザイしてしまう。
         それがマンザイに変わった」
との説があるという。
          条件は水族館の水槽で48時間、展示できる状態で生存すること。
          来年1月31日までの「指名手配」だが、1匹目の飼育が成功した時点で募集はやめる。
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             目覚めた彼らが狙うのは・・・恐怖のプランクトン。フィエステリア・ピシシーダ
                                                                (04.12.11付け朝日新聞より)
            12月11日付け朝日新聞夕刊面<地球クラブ>コラムに、
            俳優の佐野史朗氏が次のように寄稿されている。
           「プランクトン(渦鞭毛藻類)のフィエステリア・ピシシーダは、
        1980年代にアメリカ合衆国ノースカロライナ州の河口域で発見された。
        魚の大量死や
、河口に遊びに行って水につかった家族が次々と体調異変を起こしたことから、
        原因を探って辿り着いた、植物とも動物とも言いがたい生命体である。
        周辺からの廃水による水質汚染で富栄養化が進み、
        水底の泥のなかでひっそりと生息していたフィステリアが、エサにありつくべく浮上し、
        大量発生
したのだという。
           フィステリアは魚を食べ”三枚におろす”ばかりではなく、
        皮膚の腫瘍、肝機能障害、短期記憶喪失等々、様々な障害を人体に与える恐ろしいプランクトンだ。
           けれど、このプランクトンの最も恐ろしく、興味深いところは、
        その身体を変幻自在に操ることができるという点にある。
        その大きさを顕微鏡で覗くと、20倍にも身体を大きくしたり、かと思うと、
        エアゾール状にまで微小になり、大気にまぎれて人体に入り込む。
        水中では推進力を増すためにスクリューまで生やし、
        また活動を休止する時には硬い殻でその身を覆い、水底に潜むという。
        SFの世界に迷い込んだような話であるが、これは紛れもない事実で、
        日本でもいつ発生してもおかしくない。
       眠りから覚めた彼等が狙っているのは、目覚めさせた我ら人類自身である。」
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             酸性雨でイワナ消滅の恐れ。産卵への悪影響を確認
                                                                (04.12.10付け中日スポーツより)                                        
  <原文のまま>
           産卵のため川を遡るイワナやヒメマスは、水質が弱い酸性になっただけで遡上する数が減り、
      産卵行動も抑制されることが、水産総合研究センター・内水面研究部(栃木県日光市)の実験で分かった。
           同研究部の北村章二・上席研究官「川の上流域は酸性を中和する能力が低い。
      強い酸性雨が頻繁に降ると、イワナなどが姿を消す水域が出る恐れがある」
とし、
      酸性雨対策の強化を訴えている。
           産卵時に川を上るサケ科のイワナとヒメマス、ブラウントラウトを使い、
      中性と酸性の水中で、同じ雌が砂利に産卵のためのくぼみを掘る回数を比べた。
      酸性とアルカリ性の度合いを示すPFが6.4の弱酸性の水中で掘る回数は、
      中性(PH7)の水中と比べヒメマスは約25%に、ブラウントラウトは約40%に減少。
      イワナは、より酸性が強いPF5.8で半減した。
      上流側が分岐した水路で中性と酸性の水を同時に流し、どちらに遡上するかも調べた。
       PH6.0の水路に上る数はブラウントラウトで中性の水路の約十分の一、
      イワナは約四分の一だった。ヒメマスはPH5.8で遡上がゼロになった。
           北村上席研究官は「国内では平均PH4.8程度の酸性雨が観測されている。
     雨の後、一時的にPH6.0程度になっている水域もあるのではないか。
     大陸から大気が流れ込む日本海沿岸の河川が影響を受けやすいのではないか」
と話している。
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            浜松・舞阪、夜の投げ釣りで1メートルのマグロ 釣る 
                                                                                             (04.12.)
         11月26日付け中日新聞inしずおか(Chunichi Web Press)によれば、
    浜松市・舞阪の浜で23日夜釣りの投げ釣りで、2メートルの浅場でセイゴ狙いをしていて、
    ナ・・なんと1メートルオーバーのビン長マグロを釣り上げた釣り人がいるとのこと。
               前代未聞のびっくりニュースはこちら。

        http://www.chunichi-tokai.co.jp/00/siz/20041126/lcl_____siz_____000.shtml
                                                                                 (04.12.17頃まで掲載)
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             沖縄・ジュゴンの海に軍事基地が,泡瀬干潟も埋め立て
                                                                                          (04.11.30)
         伊勢湾の干潟を代表する藤前は埋め立て寸前に保全され、ラムサール条約認定されましたが、
      美しいサンゴの海に囲まれた沖縄では次々と問題が起きています。
      取り返しのつかないことのない様にしようとの運動が始まっています。
                   詳しいことは−−−−>>
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             第4回「東京湾総合沿岸域管理研究会」主催
                  シンポジュウム開催案内                       (04.11.30 )

         江戸前といわれた魚の宝庫を支えていた干潟・浅場・アマモ場が失われ、
         汚染され、死滅寸前の東京湾を再生する方策を探るシンポジュウムが開催されます。
                   日    時 :12月4日(土)
                   場    所 :浜銀ホール・ウ‘ィアマ-レ(東京・桜木町)
                   詳細内容は−−−−>>
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             絹姫サーモン」 出荷好調      (04.11.28 朝日新聞より)
                (絹姫サーモン = ニジマス+イワナ+アマゴ)

           「絹姫サーモン」は愛知県水産試験場が研究を重ね、
      ニジマスに同じサケ科のイワナ・アマゴをかけ合わせて、味の良いアマゴやイワナと、
      成長が早くて養殖しやすいニジマスの長所を併せ持つ魚として開発された。
          愛知県淡水養殖漁業協同組合(設楽町豊邦)が、
      商品として平成11年から試験的に高級魚として出荷を始め、
      好評のため16年に35トン、17年には40トン出荷する。
      この「絹姫サーモン」はすべて雌になるが、成長しても卵を持たないため、
      味が落ちないのが特長という。
         名付け親は前愛知県知事の鈴木礼治氏。淡水魚だが刺身・寿司など生食出来るし、
      もちろんマリネやムニエルも旨い。
       「サケ独特の臭みがなく、しっかりした歯ごたえが好評」
と組合の米花晃雄常務理事。
      親魚から採卵、人工授精して30〜45cmに育成して出荷するまで2年半かかるので、
      価格は卸1250円/キロと高めの設定だが、高級魚として売り出すため、
      流通市場には出していない。
      名古屋の寿司店・東京のイタリアレストラン・京都の日本料理店などに限られている。
      愛知万博(愛・地球博)には燻製で出品されるかも。
      今後200トン/年の需要は見込めるので、現在は漁協で養殖・出荷しているが、
      今後広く組合員にも養殖してもらうことも」とは同じく組合の小堀彰彦常務理事。
         ・・・釣り人としては、このような魚が量産され、その一部でも河川・渓に放流されたとき、
      すべてメスで卵を持たないとなれば、一代魚であるので、
      生態系に大きな問題はないと思われるし、
      大型で美味な魚が釣れるようになれば、歓迎すべき事かもしれない。・・・(転載者・注)
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           頻発する巨大クラゲ大発生     (04.11.13  朝日新聞より)
                                    中国などの発展が影響か?

                生まれたてのポリプから4〜5ヵ月で100キロに育ち、
            最大で200キロ、傘の直径2メートル
にもなるエチゼンクラゲ。
            近年日本海沿岸でしばしば大発生し、漁業に大打撃を与えている。
            研究によれば、どうやら、急速な経済成長を遂げている中国や韓国沿岸の環境悪化や、
            乱獲による魚類の減少が関係しているらしい。
            巨大クラゲの襲来は、海からの警告にも見える。
                エチゼンクラゲは、日本近海には8〜2月に姿を現し、10〜11月がピーク
            大発生は、かっては数十年に一度ほどだったが、最近は95,02,03年と頻発している。
            韓国・国立水産科学院の調査結果によれば、
             「朝鮮半島と中国に囲まれた黄海や渤海、東シナ海北部で生まれる」という。
            その後、対島海流に乗って北上するらしい。
            中国・黄海海洋水産研究所
             「渤海では、動物プランクトンの密度が40年前の3倍に増えた」
とする論文を発表。
            動物プランクトンはエチゼンクラゲの餌なので、
            中国沿海部からの排水で、渤海が富栄養化
している可能性があると。
            クラゲはコンクリート護岸にポリプが定着しやすいので、
           中国沿岸部や韓国の急激な成長と都市化が、
            エチゼンクラゲの大発生の背景として浮かび上がってきた。
                 黄海海洋研では「同じ操業能力で漁をした場合を計算すると、
           渤海での漁獲は40年前の十分の一以下」としており、
           広島大学瀬物海洋学・上真一教授によると、
            「乱獲などで魚を減らし、エサをクラゲにまわしてしまった」との見方。
                 漁業で魚類が減少したと見られる海域でのクラゲの大発生は、
           今まで瀬戸内海・メキシコ湾の水クラゲ、黒海のクシクラゲ類など80年代から世界各地で起きている。
           また、水産大学校の上野俊士郎教授は、
            「海水温の状態や台風の影響など、他の要因もあるはず」と話している。
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           空港島の釣り人に漁業者の怒り      (04.11.12)

          情報によれば、
          10月1日より解禁された空港島周辺での釣りに多数の釣り人(船)が出かけているようですが、
          仕掛けてある海苔網を破ったり、綱を切るなどのトラブルがあり、
          漁業者に被害が出て、怒りをかっているようです。
          釣り人としては法規を遵守し航行の安全に充分注意し、
          この様なことのないようにしなければなりません。・・・(編者)
                  詳細はこちら−−−>>     
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            琵琶湖にフロリダバス大量侵入      (04.11.06 朝日新聞より
                          蜜放流か?ノーザンと交雑

          ブラックバスは北米原産のスズキ目の魚で、オオクチバス・コクチバスなど7種。
       琵琶湖にいるバスはオオクチバス亜種のアメリカ北部にいるノーザンバス。
       一方、フロリダバスはフロリダ半島に多いオオクチバス亜種で、巨大化し70センチにもなる
         最近、琵琶湖ではブラックバスの駆除が進んでいるが、調査の結果フロリダバスが大量に進入し、
       ノーザンとの交雑が進んでいる事がわかった。
         (元香川県水産試験場主任研究員・横川浩治氏や、
          滋賀県立琵琶湖博物館主任学芸員・仲居克樹氏らの調査による)。
      それによると、琵琶湖各地で採取した194匹について調べたところ、
      従来のノーザンは2割純フロリダはわずかで、ほとんどが交雑していて、
      第2世代を過ぎたものも半数以上
いた。
      中には4〜5年ものとみられる50センチオーバーの第一世代魚もいた。
       92年に採取した検体では全部純ノーザンだったので、フロリダの琵琶湖侵入は90年代の事らしい。
         フロリダバスは、
       88年に、バス釣りで有名な奈良県南部下北山村の池原貯水池に、
       その稚魚1万匹が放流されたとの記録がある。
       (これがフロリダバスに関して記録として残っている唯一のものである)。
      琵琶湖にどのようにして、どのくらいフロリダが侵入したか、横川氏らは今後調査分析するが、
      その繁殖スピードと量からして「個人がこっそり蜜放流するレベルではない」と横川氏。
        中井氏は「駆除作業が進んでいる琵琶湖に、新たにフロリダが放たれた事に憤りをを感じる。
     現状では蜜放流を抑えるのは難しく、
     解決には、[外来生物法]でブラックバスを[特定外来生物]に指定することが不可欠」と話している。

     {注}
    [外来生物法]  : 在来の生物を捕食したり、競合したりして生態系を損ね、
                            また、人体や農水産物に被害を与える恐れがある外来種を
                            「特定外来生物」に指定
し、輸入や飼育を規制する。
                           今年6月公布。
                           来年(05年)4月施行に向け、指定生物の選定作業が始まった。
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           台風21号による流木被害の状況      (04.10.10情報提供・松岡隆春)

             雨台風21号の豪雨で、
        山奥の山林から流出した膨大な間伐材や放置倒木などが伊勢湾に流れ込み、
        潮流に乗って、各地沿岸に流れ着いている様子がテレビで放映されているが、
        その実態を確認するため、知多半島先端の美浜町・小野浦海岸に行って来ました。
        以下はそのレポートです。
             10月10日(日)、小野浦海岸沿いにある貸しボート屋[山勇]のご主人から、
         「台風で、流木がたくさん流れ着き、取り除くのにたいへんだ!」との電話があったので、
        この目で確かめようと、車で一時間半かけて小野浦海岸まで走った。
        海岸に着くと、目の前に山のように積み上げて、すでに片付けられた流木があった。
        その横では、数人の釣り人が、流れ着いた流木を避けながら、投げ釣りを楽しんでいた。(写真)
        この流木群は、三重県方面から風と潮に乗ってきたらしい。
        (そう言えば、宮川村付近は大被害だった)。
             [山勇]のご主人と[海の家]のオーナーさんの話によれば、
         「海岸の砂が沖に流されてしまったので、来年は海水浴場が開けなくなるかもしれない」、
         と心配しておられた。
            帰路も、目に映る海岸線に夥しい流木などの漂着物に、
         自然の脅威の前では人間は全く無力なものだと、今更ながら痛感するとともに、
         環境保全の重要性を再認識させられた。

小山のように積み上げられた流木群 漂着流木を避けながら釣り人が・・

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            三河湾干潟など600ヘクタール復活      (04.9.15朝日新聞より・要約)

              三河湾沿岸では開発が進み、広大な天然干潟が失われて、その海水自然浄化作用が衰え、
      赤潮がたびたび発生している。
      赤潮の要素であるプランクトンの死骸が海底にたまり、バクテリアが分解するときに酸素を消費して、
      海中の酸素量が極端に減る「貧酸素水」現象が起きて、アサリや稚魚などが壊滅的な打撃を受けていた。
             国と県では、港湾整備計画の一環として、
       280億円を投じて、三河湾口部の中山水道航路の浚渫整備工事を平成11年から開始したが、
      同時に湾内環境改善策として、工事で掘り出した砂を使って、失われた干潟や浅場を復活し、
       ヘドロの堆積した海底を砂で覆う「覆砂」も実施。
             事業主体は国(国交省・三河港事務所)および県だが、
      造成場所は儀元住民・漁業者などと協議して決めた。
      県は港湾・漁港区域と漁業権設定海域の25ヶ所、国はその他区域14ヶ所を受け持ち、
      浚渫で出た砂620万立方メートルを、干潟230・浅場160・覆砂210ヘクタールに利用した。
      その総面積は中部国際空港(580)を上回る600ヘクタールとなった。
      これで、以前にあったとされる干潟・浅場1200ヘクタールの半分が回復した事になる。
            このことにより、
      例えば蒲郡市西浦町では、5年前に国が16万立方の砂で12ヘクタールの干潟を作ったが
      バカガイやアサリなどが獲れる様になった。、
      底性生物が棲むようになると、有機物の分解も進み、水質浄化も期待できるとのこと。
      (三河事務所・服部企画調整課長)。
             [参  考]国土交通省中部地方整備局三河港湾工事事務所
                        http://www.mikawa.pa.cbr.mlit.go.jp/r_contents/r_b01.html
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            漁獲枠(TAC) について      (04.10.11朝日新聞)

           激減しているマイワシについて、水産庁が一時禁漁を打ち出し、
      漁業団体の反対で撤回したことがあり、そのかわりに「漁獲枠(TAC)」の考え方が出てきた。
      対象魚はマイワシ・スケトウ・マアジ・サンマ・サバ・ズワイガニとスルメイカの7種。
           来年の漁獲枠は11月に決定する。
      この「漁獲枠」は国際海洋法条約に基づく規制で、枠を決める基本は、
      科学的に専門機関が「この量までなら、漁獲しても資源を維持できる」という許容量を試算して提示する。
           マイワシは、88年に448万トンが03年には5万8千トンまで落ちたが、
      その年の「漁獲枠」は10万トンだった。
      この激減の背景には、水温など海洋環境の長期的な変化があると見られるが、
     特に、日本海側の落ち込みが激しいため、水産庁も禁漁に動いたようだ。
      マイワシのほかも4魚種が初年度から漁獲枠を減らしており、
     来年度も大半の魚種が今年を下回る枠で決まる公算が大きい。
          魚の場合、資源回復には漁獲制限しかないといわれるが、
     一方では厳しい制限は漁業関係者の生活を脅かすことにもなり、
     折り合いはなかなか難しい問題だ。
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            海が変です!温暖化の影響・・・?      (04.9.11朝日新聞)

      [1]・オニヒトデ大発生・危うし紀州のサンゴ
             「最近海が変だ」
             「以前は出会うだけでもうれしかった美しい南方系の生き物が、ザラに見られるようになった」、
             とはダイバーの声。
            陸上では温暖化の影響か、北上を開始した生物の例は数多いが、
            海でも生態系の変化が始まっているのだろうか。
            串本の海ではそこかしこのサンゴにオニヒトデがはり付いている。
            紀伊半島沖はオニヒトデの北限だが、一昨年から数が増え始め、
            今夏前から異常発生し、中には30センチ(3年生)の大物もいる。
      [2]紀伊半島近海のサンゴには、数年前から小型巻貝「ヒメシロイシガイダマシ」による食害があり、
            更にオニヒトデが加わった。
            このためサンゴの白化が急激に進み、頼みの天敵「ホラガイ」は絶滅寸前だ。
      [3]・オニヒトデなど南海の生き物は、卵や幼生で黒潮に乗り毎年無数に流れてくる。
            紀伊半島に定着するかは冬の水温次第。
            このところ串本沖の冬水温は16〜17度で、80年中頃より3度も高い
       [4]・今年になってオニヒトデは九州・四国でも大発生。
           紀伊半島付近では今まで見たこともない「ヒレジャコ」「トウカムリ」など、
           南方系の大型貝が見つかっている。
           このように、海で何かが起きていることは間違いない。
       [5]このほか、初めて見つかった南方系の生き物は、
              「ダンダラウニ」:沖縄でもいないはずが、串本田子海岸(水深3m)で見つかり、
              今まで見たこともないため正式和名もまだ。
              「ヒオドシウニ」:静岡大瀬崎(水深20m)で発見。
              「アオヒトデ」:八丈島や伊豆大島さらに伊豆半島沖まで来ている。
              「オオフトトゲヒトデ」:日本近海最大種(70cmになる)だが、なんと日本海側で見つかった。
              今年も冬を越すか。
              黒潮の流れが陸から遠いか近いかによるとも思われるのだが。
              オニヒトデなどは、周期的に大発生を繰り返すとも言われているし、
              今後も地道な観察が必要のようだ。
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           ブラックバスなんかもう怖くない?続々と駆除策。  (04.9.18 朝日新聞)

                9月2・3日、各県水産試験場担当者による「全国湖沼河川養殖研究会」が開催され、
         「ブラックバス対策の現状と今後の方向」と題し、最新の駆除法と効果など発表。
[1]・人口産卵床を作り親魚を誘い込み産卵させる。
         宮城県・伊豆沼で455ヶ所に仕掛け、122ヶ所で産卵、120万粒の卵を駆除した。
         同時にボランテイア組織(バス・バスターズ)を動員し、
         三角網で生後2週間以内の群れで行動する稚魚を170万匹捕獲した。
         今後の課題としては、駆除対策組織つくりと継続だが、
         バスの食害は大量発生する稚魚が問題なので、この人口産卵床による卵の駆除とともに、
         タモ網や定置網で稚魚を捕獲し、親魚を釣りあげるなどを組み合わせる必要がある。
[2]・オオクチバスより問題の多いコクチバス対策。
        長野県・青木湖では県水産試験場考案の小型3枚網が、
        産卵場に来る親魚の捕獲に抜群の効果があった。
        業者が量産し他府県にも普及を図る。
             栃木県・中禅寺湖はヒメマスを守るため、
       漁協や県が水中銃・地引網・巻き網・投げ網などを駆使してほぼ絶滅。
             秋田県は県内100ヶ所のため池・河川・湖沼で駆除実施。
        根絶結果が出るまで継続する。
       山梨県・四尾連湖では、
       駆除開始後も蜜放流があり、北海道・に南幌町でも蜜放流が続き、
       電流を水中に流して魚を気絶させる「電撃船」方式で対策している。
[3]・全国内水面漁協連合会によれば
        03年度・全国47都道府県にバスが、33都道府県にコクチバスが確認され、
       その後も増え続けている。
       対策としては、浅場に集まる産卵期に集中捕獲が効率的で、
       そのためには産卵期と場所を探し当て、そこを集中的に攻める。
       三枚網でオス親を捕獲し、ウグイなどを産卵場に放流し、卵を全滅させる。
       人工産卵床の設置で卵を除去、生まれた稚魚は早いうち(2週間以内)に網で掬い取る、
       親魚を釣りあげるなど、湖沼に合わせた対策
が必要だ。
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         伊勢・三河湾で一斉に「海の健康診断」 (朝日新聞16年 8月29日 ) 

             伊勢・三河湾とそこに流れ込む川、川の流域の山や里の連携を目指して結成された、
       
「伊勢・三河湾フォーラム」では、8月28日(土)、湾の溶存酸素濃度状況を調査し、データ化するため、
      湾に注ぐ」約150河川のうち約100ヵ所で、
市民・学者・研究者・学生・行政機関職員など、
      各グループの分かれて一斉に、河口部の橋上から水を採取して、
      
透明度を測り、酸素濃度や水温を測定した。
      海水の貧酸素状況の原因は、生活排水の有機物によることや、
      開発(掘削など)・都市排水などが主因といわれ、
赤潮や苦潮、ヘドロ堆積を招き、
      アサリなど貝類の大量死滅や魚の生息にも大きな影響を与えるといわれている。
            同フォーラムは「50年前のきれいな海を取り戻そう」を合言葉に、
      藤前干潟を守る会の辻淳夫氏や名古屋女子大の村上哲生教授(陸水学)らが、
      発起・世話人となって活動を開始したばかりで、今回が第一回の事業。
         
[追記]・・4月26日付朝日新聞によれば、
      名古屋大学
・大学院環境学研究科杉谷健一郎助教授(地球化学)のグループは、
      堀川のヘドロ
を研究しようと「名大川おやじ」を結成
       4月25日、庄内川取水口(守山区)から名古屋港までの堀川全域(20ヶ所)でヘドロを採取した。
       ヘドロは採取した場所により、真っ黒・深緑色、泥状・砂上と色や匂い形状もまちまち。
       今後このサンプル分析により、採取地点による成分の違いや、
       川の汚れの原因となるリンや窒素の含有量などを測定しデータ化、将来の浄化対策に役立てる。
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          豊川・六条干潟埋め立て 愛知県が見直し (朝日新聞 )     

          愛知県は藤前干潟に続いて六条干潟も埋め立てを見直す事を決定した。
     三河湾は平均水深が東京湾の半分(9m)しかなく、そのうえ入り口が狭く、
     外海との水交換に時間がかかる。
     上流のダム整備などで豊川の水量が減って、海水の攪拌力も弱まっている。
     そこに都市排水が流入し、環境基準の達成率は57%と最悪。
     周辺人口は遥かに少ないのに東京より悪い。
         数年前から、酸素が極端に少ない「貧酸素水塊」が海表面に現れる「苦潮」で、
      3年前は2千トン・2年前は4千トンのアサリが死滅する打撃を受けた。
      「1970年代に既に埋め立てた1200ヘクタールの干潟・浅瀬の半分でも残していれば、
    湾口の海水交換と同じくらい海を浄化出来たのに・・・」とは、県水産試験場・漁場改善グループの話。
         計画の見直しには、長期不況による企業進出の見込みが無い事に加え、
      「六条潟と三河湾を守る会」など多数の環境保護市民団体の根強い活動が功を奏した。
    埋め立て推進派の地元4市町・港湾業者で構成される「三河港振興会」でも干潟を最大限保全し、
    産業活動との調和・共存を図ると約束。
     「自然浄化機能を持つ干潟や藻場の消失によって、むしろ経済コスト面でマイナス」との判断。
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 ヤマメからニジマス・アジからマグロも (朝日新聞 8月5日)

           東京海洋大・吉崎吾郎助教授らは、「ヤマメ」に「ニジマス」の精子をつくらせ、
      その精子でニジマスを誕生させる事に成功した。
      年内には、ニジマスの卵子を持つヤマメつくりにも取り組み、
      将来は「マグロを生むアジ」や絶滅危惧種の復活も視野に。
      マグロの子を小さい水槽でも飼える小型のアジなどに産ませ、その後養殖場に移すなどして、
      養殖コストの削減にもつなげる可能性。

         空港島の釣り・漁、10月1日より解禁 乱獲・保安に懸念 (朝日新聞 7月30日)

            来年2月開港予定の[中部国際空港]は、空港側が護岸周辺に藻場を造ったおかげで、
        空港島は「巨大な漁礁」になっているが、
        10月1日より、 空港島西と北の一部沖合いで、一般釣り人は自由に釣りが出来る。
        漁師も漁業補償で漁業権を失った護岸直近を除いてOK。
        (常滑漁協では早速、沖合150mに定置網を設置する)。
        造成から数年間の漁禁止と藻場の造成で、
        島周辺には大量のクロダイ・メバル・アイナメや巨大アナゴなどが集まっている。
        会社の本音では「せっかく造成中の藻場なので、できればあまり釣ってほしくない」、
        漁業関係者も「ブームになって無制限に押しかけると、半年でサカナは消える」、
        さらに常滑海保は「狭い海域に船が集中し、事故が心配」と言っている。
              ちなみに、関西空港では、
       魚類資源保護のため、大阪府が護岸から400〜500mを「禁漁区」に指定。
        「せっかく増やした魚をその場で獲っては意味が無い」と、釣りも含め魚類の捕獲を禁止している。
        もちろん、陸からの釣りは禁止で、侵入者を防ぐ高さ数メートルのフェンスがあるが
        これを壊してでも進入しようとする釣り人に、監視カメラを10月から稼動することを検討中。
             (SOLASの関係もあり、我々一般釣り人は進入禁止が必要・・・編者)

      
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河川に医薬品成分 排泄後に下水経由・生態系に影響も (朝日新聞 7月27日)

              河川水や下水から、解熱消炎鎮痛剤など、
        医薬品や身体ケア製品に含まれる化学物質の検出報告が相次いでいる。
        人間が服用したあと、体内で代謝されず排泄されたり、皮膚に塗ったものが、
        洗い流されたりしたと考えられる。
        国立環境研究所(つくば市)では、優先調査物質の選定と分析方法の検討に入った。
        横浜国大環境管理学・益永茂樹教授ら研究グループは、
        神奈川県内の下水処理場放流水を調べたら、
        抗テンカン薬・抗不整脈薬・解熱消炎鎮痛剤・合成抗菌剤や抗生物質などが、
        高頻度・高濃度で検出された。
             東京農工大環境有機地球科学・高田秀重助教授らは、
        東京都内の4箇所の下水処理センターに流入する水と、処理後放流水を調べた。
        それによると、殺菌剤・かゆみ止めなどは処理後も濃度下がらず。
        濃度は農薬よりは低いが、環境ホルモンと同程度。
        更に、未知の複合的作用があるかも。
         また、薬剤耐性菌の発生などの可能性も考えられる。としている。
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   磯焼け対策に水産庁が本腰          (朝日新聞 5月14日)

             昆布やホンダワラ・カジメなど、有用な藻類が全国で数千ヘクタールも消失している現状に、
        ようやく対策に乗り出す。
        各地で実施中の対策の再検討や人口育成実験などを通じて06年度までに改善策をまとめる。
           磯焼けは海水温の上昇や水質汚濁など環境変化とウニなどが食い荒らすことによる。
        藻類が消えると、大型魚に追われた魚の逃げ場がなくなり、産卵場所も失われる。
         また、藻類の群生場には魚の餌となるプランクトンが滞留する。
            今週、水産庁は研究者・漁業従事者を集めた、全国レベルの対策会議を開いた。
        今後この会議は3年間に6回行い、各地で実施している対策の情報交換をする。
         また、水産庁独自で沿岸部で大規模な藻類の育成・移植実験を始める。
        その成果・技術を全国自治体や漁協に普及させる方針。
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   田と川をつなぐ魚道整備国交&農水省   (朝日新聞 5月8日)

              メダカやドジョウなどの淡水魚を守るため、河川と水田の間を魚が自由に行き来できるよう、
        農水路や河川敷での魚道整備を今年度から本格的に実施する。
        農家の兼業化などにより、除草作業が要らないコンクリート水路が急増したので、
        河川・農水路・水田のいずれにも住むメダカ・ドジョウ・ナマズや、
        春に遡上し浅い水路で産卵する鯉・フナ、普段は河川に住むが洪水時には水路に逃げ込むウグイなどは、
        生きてゆけない。
        当然、干上がった水田に住む魚は水路を通って河川に逃げる事もある。
             このように水田と河川の自由な行き来は魚の生存に重要な条件だ。
        現実には、水路と河川をつなぐ部分は、逆流を防ぐため、
        数十センチ〜1メートルくらいの落差が付けられており、魚は登れない。
            具体策として、
        両省が連携して(1)・河川と水田をつなぐ水路をゆるい斜面に改造する。
                              (2)・コンクリート水路の一部を撤去し、自然に戻し、
                                     水路を広げてよどみをつくる。などがあげられている。
        このほか、水路の底に枕木やブロックを敷いて、魚の隠れ家を増やしたり、
        河川敷にため池を作ったりも検討。
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 幻の「国鱒」の標本発見。       (朝日新聞 04.4月25日)

       
 「国鱒一匹、米一升」と言われ、秋田県・田沢湖特産だった、今や幻の高級魚のクニマスは、水力発電のために、玉川の水が田沢湖に流され、上流の有名な玉川温泉の強酸性水が混入したため、1940年(今から60年余前)に絶滅してしまった。
       滋賀県立琵琶湖博物館・川那部館長によれば、このクニマスは、日本の淡水魚で絶滅したことがはっきりしている3種類のうちのひとつで、生態は謎が多く、分類もはっきりしていないとのこと。
この魚の標本が
京都大学で9体(このうちメスは初めて)も発見され、貴重な研究材料になるとか。
       
 過去に、全国各地に放流して増やそうと、受精卵を送った記録が残っているが、田沢湖町観光協会が95〜98年に500万円の懸賞金をかけて、生き残りを探し、取り戻そうとしたが、今だに見つかっていない。
         「田沢湖に生命を育む会」のメンバーで、10代の頃にクニマス漁を経験したという三浦九兵衛さん(82)は、この標本を見て「よく保存されていて、生きていたときの姿に近く、網をあげるとクニマスがキラキラ光った当時の光景を思い出した」と懐かしんだ。
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魚のメス化の主原因は女性ホルモン・・・東京湾で調査
                                                                         (朝日新聞04,4,2夕刊より要約)
               [東京都環境科学研究所]の調査によれば、
東京湾の魚のメス化現象は、
        下水処理場から出る
排水に含まれる天然女性ホルモンが影響しているとのこと。
        魚のメス化は、
        主に人工化学物質の内分泌撹乱物質(いわゆる環境ホルモン)のせいだとされてきたが、
        同研究所によれば、
        女性ホルモンを魚のオスが一定量を取り込むと、体内でメス特有のたんぱく質(ビテロジェニン)を生成し、
       
精巣内に卵細胞が出来る。
              東京湾でボラ・コノシロ・サッパ・ヒイラギなどのオスを調べたら、
        23匹の内5匹(約20%)が精巣に卵細胞を持っていた。
        また、卵細胞を持たないものでも、、
       人口密度も少なく汚染度の低い九州などの海のボラより数百〜数千倍のビテロジェニンが検出された。
        また、東京都の下水処理場に近い海の女性ホルモン濃度は沖合いの海より4倍も高いことが分かった。
             このことから、従来の考えを見直して、メス化に環境ホルモンより影響力が強いと考えられる、
        女性ホルモン対策をたてる必要があるとしている。
              このことに関して[水産庁生態系保全室]では、
         「環境ホルモンと女性ホルモンの作用バランスを探る必要がある」言ってている。
  (編者注)
            {このような結果が明らかになれば、対策としてはどのようなことが出来るのだろうか?
       女性の排出量を止めることは出来ないし、
       下水には人口化学物質の環境ホルモンも含まれているので、
       両方を下水処理場の出口で対応するしか無いではないか。
       なにしろ、我々釣り人にとっては魚が全部メスになってしまうと、稚魚がいなくなり、
       現在の魚を釣ってしまったら終わりでは困るのだ}。
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 海の汚染を{あこや貝}が通報 ・・・ 検知システムを開発     
                                                                          (朝日新聞04、3、22)
            海中に吊るした真珠養殖[あこや貝]から送られてくるシグナルで海の環境の変化を捉える・・。
そんな貝の生態を利用した
{貝リンガル}と名づけた海水測定装置を、
「ミキモト真珠研究所」「九州大学」「東京測器研究所」が共同開発した。
水質変化に早く気が付けば10年前に発生したような大量死が防げるとしている。
           仕組みは、
水質が悪化すると貝殻の開閉が早くなったり、
閉じている時間が通常より長くなる習性を利用し、
海水の変化で起こる貝殻の開閉運動をセンサーで検知し、
その開閉パターンでどんな異変が起きているかを察知する
もの。
           赤潮・貧酸素水による酸欠・硫化水素ガス発生などに対し、開閉運動がそれぞれ違う事に着目。
貝殻に取り付けたセンサーから集めたデータをパソコンで波形分析する。
これまでは海水を採取して検査を行っていたが、{貝リンガル}は貝が地上に異変を通報してくれることに。
赤潮の場合など、人の目では確認出来ない初期段階から開閉が始まり、より早期の検知が出来る。
           すでに他県でもこの装置を導入し応用研究を進めているとか。
(早期検知しても、その被害を最小にするための対策に、どのような手段があるのか分からないが、
いずれにしても対症療法であって、根本的な解決策はもっと別の所にあると思うのだが・・・編者注)

                                                                        

        マイワシ不漁の原因追求・・・アリューシャン低気圧が影響か?   
                                                                          (朝日新聞03.10.28掲載記事より)
                 水産庁や東京大海洋研究所の分析によると、ここ数年、マイワシが激減しているのは、
                 アリューシャン低気圧の勢力が小さく、親潮の南下が弱まったことが主因。
                 水産庁によれば、01年は18万トンだったが、02年は5.2万トンに激減した。
                 13年前には1万トンを割る大不漁期があり、逆に40年程前には150万トンもの豊漁期があった。
                 つまり、マイワシは数十年周期で増減している。
                 豊漁期は、冬にアリューシャン低気圧の活動が強まった時期と重なっている。
                 これは、冬低気圧でアリューシャン周辺海水が急冷され、強い親潮となって房総沖まで南下し、
                 黒潮とぶつかることによって、この付近に栄養塩の多い深層水が上昇し、プランクトンがよく育つ。
                 このプランクトンは、房総沖を太平洋中央部に向かう黒潮続流の北側海域に拡散して、
                 マイワシの餌になる。
                 アリューシャン低気圧は25年前から弱まり、7−8年前頃から勢力を回復しつつあるが、
                 まだマイワシの回復の兆候はない。
                低気圧と海流は数十年かけて変動している。今は、高値がつくからと必死になって獲りすぎ、
                資源減に追い討ちをかけないことが重要だ。
       ________________________

         
   スーパー海エビ開発   ・・・ 釣りエサのエビに革命か?!! 
                                                                                               (釣場速報新聞8/25)

                 兵庫県のニューハリマ(株)では、繁殖力・抵抗力が抜群に強いエビ,
                 (
仮称スーパー海エビ)の養殖に成功し、実地テストを重ね、釣り師の要望を満たし、
                採算にも乗るとして、
                 従来の
ウタセエビ・シラサエビに代わる画期的な商品に育てたいと意気込んでいる。
                 本格的な
販売は、来期からの予定。
                      このエビの特徴は、
                             (1)・養殖池で繁殖力が強く、孵化後2−3ヶ月で10センチに育つ。
                             (2)・温度変化に強い。(13−25度の範囲でいずれも5日間100%生存)
                             (3)・塩分濃度に敏感でない。(真水でも生存の可能性ある)
                             (4)・酸素の供給があれば、厳しい温度変化や水質にも耐えて長生きする。
                             (5)・生産調整により、一年を通して安定的な供給が可能。
                  「編者注」 ・ このように画期的な商品であるが、実際に釣り師がこれを買うかどうかは、
                 価格とともに、従来の使い慣れたエビに対し、魚の反応(食いがいいか)がどうかなど、
                  フイールドテストを重ねる必要がある。
                  いずれにしても、
                 供給不足(量・季節)の問題解決に、注目すべきニュースである事は間違いない。
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   ヒラメのオス化    ・・・環境ホルモンの影響か?          
                                                                      (朝日新聞8/9朝刊) 
                        船舶や魚網にフジツボなどが付着するのを防ぐため使われている、
                  有機スズ化合物 「トリブチルスズ」 に、メスのヒラメをオス化してしまう、
                   「環境ホルモン」作用があることが、九州大学大学院・大嶋雄治助教授・
                   (水産生物環境学)らの研究でわかった。
                        いままで、巻貝では顕著に現れていたが、脊椎動物で確認されたのは初めて。
                   研究室では。ヒラメのメス稚魚に、この化合物を微量与えて飼育したところ、
                   約30%の確率でオス化(卵巣から精巣に)
                   また、筋肉からも化合物が検出された。
                        西日本の、小規模な港湾20ヶ所の海底泥を分析したら、19地点で、
                   かなり高濃度(1グラム中20マイクログラム)の化合物が検出された。
                     日本海や瀬戸内海でバイ貝が激減したのも、
                   この化合物が、環境ホルモンとして作用したと見られる。
                        {このまま汚染が進むと、ヒラメが子孫を遺せなくなり、
                            我々、釣り人は、天然ヒラメを仕留めることが出来なくなるかも}。
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                         マイワシ激減!!・・・地球温暖化のセンサーか?         
                                                           (朝日新聞6/5・環境の日特集より)
                        早まる桜の開花、北進する蝶や蝉などの昆虫、里山に異常繁茂する竹・・・
                   このような現象は、地上だけではない。
                  海の中でも、クラゲなどの異常増殖にみられるように、私達の気が付かないところで、
                  何か、ただ事でないことが起きているのではないか。
                        私達に身近なマイワシが、このところ激減して、
                  10年後には、トロ並みの値段になるとか。
                   02年の漁獲高は5万トンで、十数年前の400万トンの約1%になってしまった。
                        マイワシは不思議な生態で、約50年周期で増減を繰り返す、波動説があるが、
                  漁獲の多い時代は、寒暖がはっきりして、
                  メリハリのきいた気候の時期と一致している由。
                        温度変化に敏感な魚達は、寒暖の差のある海は棲みにくい。
                  競合する魚がいないことが、マイワシにとって好都合らしい。
                        それとは別に、海水温が高いと、1歳までの稚魚が大量死してしまうことが、
                  作今の激減の問題ではないか。
                  このまま温暖化(海水温も)が続く限り、マイワシの回復は悲観的だ。
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               「水産庁が「外来魚封じ込め案・・・釣り業界も駆除努力を・・・・     
                                                     (朝日新聞4/21・Opinion欄より要約)
                   水産庁が後押しして、平成14年5月から、
                   学識経験者・漁業者・釣り団体代表らを集めて、
                    「外来魚問題懇談会」(座長;元東京水産大学長野村稔氏)が開かれていて、
                   今年1月に{管理が可能な特定収容水域}を設け、
                   ここにブラックバス・コクチバスなどを移すとの答申を出した。
                     これに対し「全国内水面漁協連合会」は、
                   バスの存在の容認につながるとして、反対の立場。
                   同会の調査によると、バス・ブルーギルによる年間被害額は1.5億円にのぼる。
                   オオクチバスは、北海道・沖縄を除く45都府県362水域河沼に生息、
                   コクチバスは35都府県107水域で更に拡大中。
                   一方、ブルーギルは、42都府県254水域に生息するが、減少傾向だと。
                     いずれにしても、蜜放流をやめさせるのが先決で、
                   公認バス釣り場を認める事は問題だとの考えかた。
                     現在、バスを漁業権魚種として認めている公認バス湖は、
                   河口湖・山中湖・西湖・芦ノ湖の4ヶ所。
                      また、今現在進んでいる対策は、
                   * 滋賀県の「琵琶湖再放流禁止条例」の施行が第一号。
                         これに日釣振は再放流はバス釣り禁止に等しいと、反対。
                         タレントの清水国明氏らは条例は無効と提訴している。
                   *秋田県は今年4月から、再放流禁止指示を出し、
                        違反者には、漁業法で1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑とした。
                   過去に、バスを隔離する「ゾーニング」案を平成12年.11月に水産庁が提案したが、
                   自民党・全内漁連・日本魚類学会の反対で、撤回された経緯がある。
                   このときは、政治的な介入があったためだが、釣り人の意見は入っていない。
                   その後も、外来魚対策は看過出来ない問題となって、今回の再提案となったののだが、
                         この問題を取り上げた記者は、
                   「釣り人及び業界としても、本気で駆除に協力して、
                     初めて漁業者と遊漁者が、同じテーブルについてこそ、
                     
{特定収容水域設定}の問題について、具体的に話し合えるようになるのではないか。」と、
                     我々釣り人に提言している。
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              海水温度で漁獲予報    (朝日新聞 03.4.20)                   
                         愛媛県水産試験場では、海水温と漁獲高に相関関係があることに着目し、
                      黒潮に乗って、四国西南部沿岸に入ってくる、アジ・サバ・イワシなどの、
                      漁の出来・不出来を予報するシステムを作り、今年3月から運用を開始した。
                      (Hpでも公開中)。
                      黒潮の流入により、急激に水温が上昇する、いわゆる「急潮現象」のあとに、
                      漁獲高が急増している事実に基ずいたもの。
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              大物などウヨウヨ皇居お濠の外来魚捕獲(朝日新聞 03,3,4)
                          皇居外濠の「牛ヶ淵」で調査を兼ねて外来魚の捕獲作戦を進めているが、
                      3月3日に半分ほど干上がったところで、網でいろいろな魚を捕獲した。
                      この日だけで40から50cm以上のブラックバス10匹、
                      10cm級ブルーギル10数匹など、外来魚計549匹。
                      モツゴ・ワカサギ・ヌマチチブなど在来種2231匹。
                      他に(昔放流された?)60cm超の鯉・ソウギョ・ハクレンなども91匹いた。
                      (この数字を見て、釣り人の皆さんはどんな感想をお持ちでしょうか。
                             ・思ったより外来魚が少なく、在来種ががんばっているのでホッとした
                             ・やはり、ついに皇居にまで外来魚が蔓延ってしまった、もうダメだ
                      いずれにしても、環境省皇居外苑管理事務所や自然環境研究センターなど、
                      この計画を実施した方々は、この結果をどのように評価し、
                      これからの対応策をどのようにされるのでしょう)。
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             外来魚ブルーギルの被害調査と駆除。
                          ブラックバスと共に問題となっているブルーギルについて、
                      「岐阜県淡水魚研究所」では、その被害状況と駆除方法を見出すために、
                      各地で試験採捕を行ない、5年間継続して湖沼河川のフナやタナゴなど、
                      在来種の生態系の変化とその影響調査を行なうこととなった。  
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             友釣り再生へ稚魚選別   (朝日新聞)
                         最近アユがあまり釣れなくなったとの釣り人の話を良く聞くが、
                      愛知県では、アユ資源回復調査事業の一環として、
                          (1)天然琵琶湖産 (2)養殖琵琶湖産 (3)産卵落ちアユ
                      の3種類の稚アユを豊川・矢作川の各4ヶ所に放流し、
                      よく釣れるアユはどれかの調査をしている。
                         これを受けて、足助町巴川漁協では、琵琶湖産天然稚アユ2万3千匹
                      を放流した。
                         アユがおとりを追わなくなった原因は、冷水病と本能の変調(闘争心の欠如)
                      と言われているが、丈夫で良く釣れるアユを育てて放流しようとの目論見だ。
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              イタセンパラを守ろう  (東海テレビ7/11放映)
                         富山県氷見市教育委員会では、
                     絶滅危惧種で国の天然記念物のイタセンパラを保護するため、
                     国の失業対策雇用創出交付金を使って「ブラックバスバスターズ」を結成した。
                         釣りや網による直接駆除の他、生態調査も行う。
                     今のところ、
                     予算の関係で3名採用、期間も2.5ヶ月の限定だが、成果を見て更に広げる。
                         (注)  イタセンパラは過去には全国いたるところの河川湖沼にいたが、
                                  現在は淀川、濃尾、富山の平野部にわずかに残っているだけ。
                                     繁殖力が極めて強く、魚食性のブラックバスがアッという間に全国制覇したのは、
                                  魚が陸を歩いて移動したわけはなく、第一歩を踏み出したのは釣り人であろう。
                                     管理釣り場を作ってそこだけで楽しめばいいものを、そんな遠い有料のところに、
                                  わざわざ出かけなくてもと、つい手近のところに放してしまった。
                                     取り返しの付かない事にならないうちに、行政・漁協と共に我々釣り人が心して、
                                  対策に取り組む時期であろう。
                                                                                                         
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