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    投げ釣り講師 スキルアップ研修の手引き                  013.08.06
                                                            JOFI愛知・代表  大田 豊明
はじめに(初心者指導の心得)
(1)・「基本を徹底指導」
       釣りの指導のうえで大切なことは  @「基本を基本として徹底指導する」、 A「どの講師に聞いても同じ答え」である
    ことです。 「〇〇という場合もあるし、〇〇でも良い」とか 「この先生はこう教えるがあの先生は違う」 では、
    受講者が迷い、混乱と不信を招きかねません。 初心者への指導は「基本に徹し、どの講師も同じ答えをしゃべる」。
(2)・.「率先垂範(そっせんすいはん)、迅速機敏(じんそくきびん)、丁寧(ていねい)」
    講師は受講生の前で 「率先垂範」 「迅速機敏」 「わかりやすく丁寧」 です。
    先生と呼ばれる重みを意識しましょう。 また 「なぜ?」 と聞かれたら自信を持って明確に答えましょう。
    指導内容の裏付けとなる 「原理」 「理由」 を理解しましょう。
    釣りのポイント選びは 「地学」、仕掛けやエサの選択は 「お魚の生物学」、キャスティングは 「力学」、
    テンビンの機能は、「物理学」 など釣りは理系の遊びです。
(3)・「まず安全」
    釣りに限らず、レジャーやスポーツ入門のイロハの 「イ」 は、安全であること・マナー(ルール)を守ること・
    装備を理解すること。中でも安全は 「最優先」 です。
(4)・.「自信と威厳(いげん)」 
    指導にあたっては、経験と知識に裏打ちされた自信と威厳をもって指導にあたりましょう。
    多人数を指導する場合は、常に受講者の耳目を傾けさせておかねばなりません。
    受講生を一斉に移動させる、整列させる、注目を集める場合は、ホイッスルを活用しましょう。
    ざわついた集団も、笛のひと吹きで静まり注目します。
(5)・.「怒らずに・・叱ること」
    受講生の行動に危険が予見される、あるいはマナーに反する行為があった場合、厳しく注意しますが、
    この際怒ってはいけません。 怒りの感情が混じると受講生は 「怒られた」 と感じ萎縮や反発します。
    相手を案ずる気持をこめて 「叱る」 ようにしましょう。 事故や迷惑事が起きてからでは遅いのです。
    「先生の指示と指導に従って、早く上手になりましょう!」 と語りかけること。
[-キャスティング指導のポイント-]
   
「オーバーヘッドキャスティング指導の手順」
       1. 足を肩幅に開き、渚に対して体を平行にして立つ。
       2. 竿をひじと脇腹にはさみ、地面と水平に前に出させる。
       3. べイルを返しオモリが地面に着くまで糸を出して適正なタラシを作る。
       4. 人差し指の腹に力糸をかけて、べイルを倒す。
       5. 竿を立てずに右真横に回して、隣の人がいないか当たらないか確認する。
       6. リールを上に向け、両手で竿を持ったまま「バンザイ」をする。
       7. 後方を確認しながら、竿を真横から90度後ろへ回し、前後に構える。
       8. 「投げま〜す!」と大きな声で周囲に伝える。
       9. 再度、後方と前方の安全を確認し、オモリの揺れを止める。
      10. 両手をまっすぐに上に挙げ、上空45度を見つめさせる。(竿は水平)
      11 .「シュッ!」と声を出しながら、竿をまっすぐ前方上空へ振らせる。
      12. 右のこぶしが目の前に来たら、ビシッと「振り止め」させる。
      13. 人差し指にかけた力糸は、時計の「午前11時」前後で放すよう指導する。
       14. べイルを戻し、糸ふけを取ってからゆっくりさびきを始める。
      15. 竿は両足の間にはさみ、竿先は寝かせず、真っ直ぐ上に掲げるほうが良い。
  
「右に飛ぶ、左へ飛ぶ・・わけ」
      右 ⇒ 構えたとき、足(体)が渚に平行ではなく、右の方向を向いている。
           投げる時、遠くへなげようと右へ体をひねってしまう。
      左 ⇒ 右の反対である。構えから竿を振るまで、渚に対して竿はいつも直角。
           ※受講者の後ろに立ち、竿先が真後ろになるよう保持してやると良い。
  
「フライになってしまう」
       1. 糸を放すタイミングが早いから。  ⇒ 人差し指にかけた糸は意識的に放さなくても自然に放れるようになる。
       2. 竿が振り切れていない        ⇒ 右手が目の前に来るまで、しっかり振らせる。
       3. タラシが長すぎる          ⇒ 竿をひじと脇腹に挟んで、前に出し、オモリが地面に着いた長さにする。
  
「ライナーになる?」
       1. 糸を放すタイミングが遅い。     ⇒ 糸をかけた人差し指を浮かせ、握り込ませない。
       2. キャストの目線が海を見ている、振り止めができていない。⇒ 目線は上空45度を見る、目の前に竿が来たら                                                 ビシッと振り止める。
[-実釣指導のポイント-]
 
 「仕掛け回収時の注意点」
       1. 仕掛けを回収するときは、針刺しや巻きすぎによる竿先折損事故をなくすため、
         オモリをつかむように指導する。
       2. 仕掛けやエサの交換時、オモリは宙にブラブラさせず、地面に着けること。
         渚から5m以上離れさせ、海に背を向けないように指導する。
       3. タックルを砂浜に直置きしないよう徹底する。竿立てが無い場合は、クーラーなどに立てかける。
  
「ミチイトに海藻がからんだら」
       1. さびくときに竿をまっすぐ上に立て、ミチイトの着水長さを短くする。
       2. 竿先に海藻が上がって来たら、竿を手でたたいて藻を飛ばす。
       3. 海藻をそのままにすると、竿先の折損やライントラブルとなる理由を説明。
 
 「オマツリの対応」
       1. ミチイトが交差しているだけ      ⇒ 後に投げた人が、先に投げた人のミチイトを越えれば解決する。
       2. ミチイトに仕掛けが絡んでいる     ⇒ ミチイト側は糸をピンと張り、仕掛け側の人がハリスを切る。
       3. 仕掛け同士が複雑に絡んでいる⇒ どちらの仕掛けもオモリの取り付け位置から切り、新しい仕掛けに交換。
                                ※引っかけた人、真っ直ぐに投げられなかった人が謝りの挨拶をする。
                                被害者のほうも「オマツリはお互い様」の意識を持たせるように指導する。
  
「釣り場での移動時の注意」
       1. 針のついた仕掛けを外し、オモリを掴んで移動する。
       2. 渚を通らない。釣り人の後方から10m以上離れて通る。
         ※ 仕掛けをつけたまま移動して針を指先に深く刺して病院へ搬送された事例、
         釣り人の近くを走り抜け、針が刺さった事例があるので、指導を徹底しよう!
   このほか、夏場や初秋の釣りでは少なくとも60分に一度のペースで水分補給を呼びかけ、熱中症を予防しよう。
  釣り場では 「根性」 「我慢」 「度胸」 「見得っぱり」 は不要であることを指導しましょう。

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